10年01月26日(火)AM ヤンチャな騎手たち
こっちの騎手って、クスリをこっそり使って薬物検査で引っかかり、ハイさよなら。 騎乗停止9ヶ月。とか、ドメスティックバイオレンスで刑務所行き。とか、 八百長、馬券騒動で騎乗停止&立ち入り禁止。とか、いろいろヤンチャな奴らがいっぱいいるんだけれど... 結局、帰ってきて普通にレース乗ってるよな。
10年01月04日(月)PM 自分に悔しいい
土曜日はレースに復帰したんだけど、またこの前と同じ馬に乗ってレースで落とされた。 スタートしてすぐに起こったのでスピードも乗ってなかったから大事には至らなかったんだけど、また落馬したことに信じられなかった。 芝の上に横になりながら「何でだ?」「自分の乗り方に何が悪いのか?」と考えた。 レース中に進路妨害や不利、落馬などがあるときは裁決員と呼ばれる競馬のジャッジに「Stewards Room」というところに呼ばれる。 ここはいろいろな角度に設置されたカメラをコマ送りに回して何が問題だったのか、妨害したのか、被害を受けたのかを裁決委員と議論するところ。 今回のケースはこの馬のトレーナーと馬主が入ってきて俺の騎乗をずっと非難していた(結局リプレイではちょうど死角になり落ちたところは映っていなかった)。 レース前はがんばってと笑顔満点だったのに、180度変わって俺の意見も聞こうとはしなかった。 俺もね、自分の仕事を誇りもってやっているんだよ。 人生をかけて競馬に乗ってんだよ。常に馬のベストを考えている。 頭の中で自分の言いたいこと、相手の言っている事が整理できなかった。コミュニケーションが上手くできなかったこと。とても悔しい。
競馬場から家に帰るたった1時間ちょっとのドライブがとても長く感じた。
09年12月29日(火)PM ダイキとユウコちゃんと俺
今年のクリスマスはNEWCASTLEに住む友達のうちにお邪魔してきたよ。 まず3人でビーチに行く。 ここのビーチはそんなに人も多くなく、地元の人がのんびりしていたんだけど、カメラの前で『はいポーズ』 左肩が故障でレースを休んでいるのもお構いなし... 俺たちの芸術写真の出来上がり!! 今にもスクリーンを越えて飛び出てきそうなこの3D具合(笑) 最高傑作です。
夜はクリスマスディナーをご馳走に。チキンにパスタにサラダに最後は手作りのケーキでおなかいっぱい。 ユウコちゃん、おいしかったよ!!
翌日はMORPETHという町までドライブ。北海道の牧場地帯みたいな景色を車で20分。 ここは本当に小さな所だけど地元の人たちが観光で来る、チョイしゃれた町。 小さな美術館や小物屋さん、お菓子屋さんなどがあるんだ。
家に帰って一息してから教会へ。 Googleでパイプオルガン音楽があるって情報を集めていたんだけど、 行っても誰一人居なかった... どうも、1日遅かったらしい... アーメン
いろいろあったけど楽しいクリスマスホリデイでした。 ちなみに本職のほうは、今朝、馬の調教にまたがって、医者のGOサインも出たよ。 ジョッキーのFEELING抜群!! 馬のFEELINGも抜群です(笑)
09年12月22日(火)PM Im getting better
この前の日記で馬から落ちる前に時間の流れが遅くなったようにスローーモーションになったって書いたよね。 だからといって何ができたかといえば何もできないww 俺が言いたいのは、スパイダーマンだったら落ちる瞬間に手から「シュッッ」と糸でも出して馬にしがみつけただろうし、悟空だったらカメハメ波を地面にでも打ちかえして落ちづにすんだだろう。 チャンスがあっても、一般の人間は気の利いたことをできないよな...
結局、昨日今日はお医者さんのところへ。 肩の調子が良くないのでMRIスキャンを取りに行きました。 以前テレビとかで見たことあるんだけど、思った以上に心地悪い。 体が動かないように固定されて、 筒の中にうつ伏せになって入っていく。 中はギスギス狭くて検査が始まったら、とてもうるさい機械音が鳴り響く。 そんな状態で20分近く我慢したらやっと輪切りになった自分の出来上がり!!
診断結果は筋肉が痛んでるとの事。 俺的には診断のとき医者に、安静にしていたら良いのか、それとももう馬に乗っても良いのか、どうしたらできるだけ早く復帰できるかなど『解決法』を聞きたかったんだけど、
「どれくらい仕事休みたい??」(笑) 「今はクリスマスのシーズンだしな」(笑) とそんなノリ。 結局1週間体を休めたいと伝えて、帰るときに医者ががっちり握手してきた(笑)
怪我をした時って骨折でもしていない限り無理さえすれば馬には乗り続けられる。たとえば痛み止めでごまかすとかね。 でもね、「してもいい無理」と「してはいけない無理」があると思う。 もし今回乗り続けていたらまた大きな事故につながったかもしれない。 医者もあんまり当てにならなかったし、今回改めて思ったのは自分の状態をいかに正確に判断してGOサインを出すということ。 自分で決断して責任を持たなきゃいけないと強く感じたよ。
09年12月20日(日)PM 落馬したときの騎手が考えること
昨日レース中に落馬したよ。 車で競馬場に着いたとき、今日は体調がいいし、仕事が終わってどんな気持ちで帰れるんだとワクワクしていて、落馬なんて頭の中にはこれっぽっちもなかったな。 2400mのレースで向こう上面で自分の履いている鐙がスポって脱げてそのまま落ちた。 その瞬間っていうのは何秒かなんだけどスローモーションになって頭の中で「後続馬に蹴られませんように」と祈る。 馬は時速60km近くの速さで走っているから、振り落とされたら何メートルもコロコロと転んでしまうんだ。 体が停止してまず始めに考えるのが、 「体はちゃんと動くのか?」ということ。 体のパーツごとに力を入れて、自分の意志で動くことを確認する。 落ちた直後はショックで、痛みとかもすぐには感じないから、自分の体は取り合えず大丈夫だと思って一安心できる。 地面に打ちつけられたら骨折する場合もあるし、ひどいときには神経がやられてしまうんだ。
救急車がすぐに駆けつけてくれて治療を受けたけど、幸い打撲だけですんだ。 こういう事故って、自分の体調を常に万全にしてラフプレイに気をつけていても突然に起こってしまうんだよね。 今回、一大事にならなかったのはきっと神様が味方してくれたんだろうね。そして神様に気に入られるには普段の生活で自分に正直に生きるということだと思う。